議会報告28号です

早いもので、議員になってから7年が過ぎました。
最初は右も左もわからず、あれこれ失敗もしました。ご迷惑もおかけしました。
色々と助けて下さった方、教えて下さった方に感謝します。議会報告を読んで下さる皆様にも、お礼申し上げます。
残り一年の任期も頑張って務めていきますので、ご意見、ご希望があればお寄せ下さいませ

この28号は、4月末から5月にかけて、新聞折り込みとポスティングでお届けする予定です。役場にお立ち寄りの際は、3階の議会事務局でも、過去の議会報告と併せて差し上げられるようになっています。


葉山町議会第1回定例会 
 2022年2月10日~3月17日。令和4年度予算や陳情などの審議が行われました。

 新年度の予算は全て可決され、中学校給食の準備や、クリーンセンター再整備の工事が始まります。下水道については、逗子市からの共同処理の提案を検討していくことになります。

 また、幼児の視力の異常を早期発見するための検査機器SVSの導入が決まり(私の議会報告20号で記述)、医師会など関係者の皆様が安堵なさったことと思います。

私がした一般質問 
防災対策
 コロナ禍や高齢化の進展により、自宅での安全確保が一層、重要になった。水や食料の備蓄の広報は。

総務部長 3日から1週間程度の備蓄は用意してほしいと広報している。3月1日からは、LINEによる情報提供も始めた。

 学校で、児童生徒の防災意識を高めてほしいが。

教育部長 防災訓練を行うと共に、総合的な学習の時間などで防災教育に取り組む。

 災害時には、中学生の力を地元に役立ててほしい。日頃からの町内会・自治会との話し合いは。

総務部長 残念ながら十分にはできていないが、町では人口の25%は昼間、町外に出てしまう。中学生や高校生など、若者のマンパワーは貴重だ。学業に支障のない範囲で、力を発揮していただければ有難い。

 小中学生向けのイベントとして、学校の校庭を利用したキャンプはどうか。キャンプ慣れした町民が増えれば、防災対策になる。

総務部長 サバイバル的な活動の知識があれば、差が出ると思う。町も総合防災訓練で、宿泊体験を実施した。残念ながら、ここ数年は実施できていないが。

町長 ホームセンターでもキャンプ用品を販売しているので、浸透しているのではと思う。町も声かけする時、この切り口で取り組んでいきたい。

 昔に比べて、市街地の緑はかなり減った。遺贈寄付制度を利用するなどして、町民に土地の寄付をお願いし、防災用の空地として確保しておけないか。災害時、火災の延焼を防ぐ役割もある。

総務部長 安全性が満たされる空地は少ない。指定緊急避難場所になっている公園も少ない。今後、公園再編の中で議論はしていくが、民地の寄付も選択肢になりうる。

町立図書館と学校図書室
 町内の小中6校に新しい本を買い続けるには、町の予算だけでは心細い。役場や図書館などに募金箱を設置してはどうか。

教育部長 学校から、特に予算が足りないという話は聞いていない。今はパソコンやスマホでも調べ学習ができる。図書館との連携で、解消できていくのでは。

 町立図書館と学校図書室の連携について、検討の状況は。図書館に寄贈された本を学校に回すとか、本を購入する時の相談とか、色々と連携できるのでは。

教育部長 連携が密になるよう努める。

 図書館を町民の憩いの場ととらえ、花壇の世話を、町民有志にお願いしてはどうか。ベンチを入れて頂いて大変感謝しているが、花壇は逗子の図書館と比較して寂しい。図書館の職員は忙しく、そこまで手が回らないのではと思う。

町長 有志の方がいらしたら、おつなぎ頂けると有難い。

☆図書館の花壇のお世話をして下さる方が何人かいれば、グループを作れると思いますので、私にご連絡下さい。既に活動しておられる団体も大歓迎です。

生ごみ処理
 費用削減と地球環境のため、生ごみは自家処理が理想だ。逗子市と連携した取り組みはどうか。たとえば、市長と町長が駅前でキャンペーンを行うなど。

町長 広報として必要があれば、やらせていただく。

 公園や空地などに、試験的に公共キエーロを設置してはどうか。使ったことのない方に、体験して頂くことができる。管理が大変と思うが、一か所に数週間置いて様子を見て、また別の場所に移す、というやり方もできる。

環境部長 検討はしたが、管理が難しく、見送った経緯がある。実演販売を増やしていければと思う。

ワクチン接種の直前キャンセル
 コロナワクチンの予防接種で、毎週のように直前キャンセルが出ている。その予約枠の穴埋めの手配を、接種を引き受けた医療機関で行うのは大変だ。

 コロナワクチンは保管条件が厳しく、いったん冷蔵庫から出したら、一定の時間内に使い切る必要がある。キャンセル分は、タイムリミットまでに、他の方を探して打って頂かないといけない。医療現場は業務が立て込んでいるので(通常の診療に加えてコロナワクチン予防接種、PCR検査や抗原検査、発熱対応、保健所への報告等)、町かコールセンターで予約の穴埋めをしてもらえないか。

福祉部長 ワクチンの保存には細かい規定があり、裏側で緻密な作業を行っている。キャンセルというのは、初回接種の時から課題になっていた。民間の委託先のコールセンターで主体的に電話をかけて、キャンセル待ちの人を探すのは難しい。医療機関の方で対応して頂けないか。
 今後は若い方に接種が移るので、策があれば考えたい。
 
森戸川水系の小水力発電
 下山川でもいいのだが、森戸川には下水の処理水も流れている。逗子の処理水も加わるなら、なお流量が増える。発電機も進歩していると思うので、小水力発電の可能性を検討できないか。長柄会館や小学校で、非常用電源に使えるかもしれない。

教育部長 ある程度の落差や水量が必要なので、町内に適地があるかどうかは分からないが、検討することは可能だ。

ロシア非難の決議
 この2月、ロシアがウクライナへ武力侵攻したことに対し、3月14日、葉山町議会もロシアを非難する決議を可決しました。
 私も「戦争反対」の意味で賛成しましたが、本来、軍事や外交は高度に専門的な問題であり、地方議会の権能を超えると思っています。
 実際、私はクリミア併合、ドンバス内戦、マレーシア機撃墜事件、ミンスク合意など慌てて勉強しました。不十分ですが、以下は現時点での概観です。

真実の報道とフェイクニュースの区別が難しいので、なるべく多くの専門家の著作で背景を調べることが必要。

アメリカのイラク侵攻時「大量破壊兵器」が口実にされたが、無益で罪作りな戦争だった。旧ユーゴスラヴィア、リビア、シリア、アフガニスタンなどを見ても色々な疑問が湧く。

山本章子『米国アウトサイダー大統領』、国枝昌樹『シリア』、酒井啓子『移ろう中東、変わる日本』参照。

●冷戦が終結してワルシャワ条約機構が解散したのに、NATO(北大西洋条約機構)は解散せず東方拡大を続けた。ロシアの警戒心もしくは開戦の口実を、欧米側が薄れさせるべきだった。
市民が犠牲になる前に外交で解決しなかったアメリカの態度が不可解。ウクライナの現状は代理戦争。国外からの軍事支援には問題がある。

●欧米社会はパレスチナを占領するイスラエルの「犯罪」は黙認するのに、ロシアには経済制裁を科す――これはダブルスタンダードだと、パレスチナ自治政府のアッバス議長が批判している。
 そもそも、列強が勝手にアフリカや中東の国境線を引いた。

●アジア・アフリカ・南米などからの視点と、欧米視点は異なる。アメリカが日本に原爆を落としたことや、東京大空襲などは明らかに戦争犯罪なのに裁かれていない。

●戦争で利益を得る軍需産業もある。ソロモン・ヒューズ著『対テロ戦争株式会社』によれば、湾岸戦争時の「ナイラ証言」は民間PR会社の捏造。

戦争の民営化で民間軍事会社(傭兵派遣)が伸びたが、国家の統制が届きにくく、汚職・無能・暴力といった問題が生じている。
 元軍人が雇われて命を落としても、戦死者には数えられない

地域大国インドは、3月2日の国連緊急特別総会のロシア非難決議では棄権に回った。中国を警戒する立場から、ロシアを頼りにする構図がある。

 日本も資源やエネルギーの弱点がある以上、独自の外交方針を持つべき。かつては出光興産が、イギリスの制裁下にあるモサッデク政権のイランにタンカー日章丸を送って感謝された。

●本来は国連が仲裁に入り、ウクライナに停戦監視団などを送るべきだが、肝心の安全保障理事会が5大国の拒否権のため機能不全のまま
 第2次世界大戦の戦勝国が中心となる現在の体制は、改革されるべき。

●軍事行動はあくまでも「国連の集団安全保障体制に基づいてのみ」が理想。
「集団的自衛権」は、それ自体が他国に警戒心を与える。同盟国にも「巻き込まれ不安」や「見捨てられ不安」を生む。現状では仕方ないとしても、将来は国連に委ねるべき。

ハンセン病問題を通して 
 3月23日の議員研修会で、石山春平氏の講演を拝聴しました。
 石山氏は1936年生まれ。小学校6年生の時にハンセン病の診断を受け、療養所での15年の隔離生活を経て社会復帰を遂げられました。しかし差別や偏見の残る中、ご結婚されてからも、並大抵のご苦労ではなかったと思います。

 これは古くから「らい病」として怖れられた病気で、映画『ベン・ハー』にも描写があります。今は原因も治療法も分かっていますが、映画『あん』でハンセン病の女性を演じた樹木希林さんも、映画を通して「知らないことは罪」という感想を持たれたそうです。
 差別や偏見をなくすことは無理でも、自分にどんな偏見があるか、自戒し続けることはできると思います。

『記者、ラストベルトに住む』
 金成隆一、朝日新聞出版。
 良識的とはいえないトランプ大統領を誕生させたのは、中流の暮らしから貧困層に転落しつつある一般市民の怒りや絶望だった、ということが分かる本です。
 病気になれば破産しかねない医療保険制度。学校で起きる銃乱射事件。貧困や絶望から薬物に頼る人の増加。

 バイデン政権になったら、今度は戦争に物価高で、世界に影響が及んでいます。苦しむのは庶民ですから、日本人も考えなくてはなりません。
 サハリンの原油・天然ガスの権益は。食料やエネルギーの自給は日米安保はどこまで頼れるのか。核兵器を抑止力としていいのか
 何が正解か分かりませんが、議論は冷静にしていくべきでしょう。

『「帝国」ロシアの地政学』
 小泉悠、東京堂出版。
 多くの民族(ロシア人、タタール人、ウクライナ人、バシキール人、チュバシ人、朝鮮族など)と宗教(キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、仏教など)を内包するロシアについて理解が深まります。

●冷戦後のロシアが抱え込んだ大問題は、この多様な民族・文化・宗教がなぜロシアという一つの国家の下にあるのかを説明する原理がなかなか見出せなかったことにある。

●かつてのソ連であれば、そこには一応の理屈が存在していた。…中略…ソ連とは、共産主義という理想に向かって、ルーシ民族を中心に諸民族が団結した同盟なのだ、ということである。

●この意味で、現在のロシアにとって第二次世界大戦の記憶は貴重なアイデンティティのよすがとなっている。

 それは単にソ連という国家の勝利だったのではなく、ナチズムという悪に対する勝利だったのであり、ソ連はここで全人類的な貢献を果たしたのだという自負は現在も極めて強い

●プーチン大統領はかつて、ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」であると述べたことで知られるが、その後に続く言葉が注目されることは少ない。すなわち「数千万人の我が国民と同胞が、ロシアの領域外に居ることになってしまった」という一言である。

 木村汎『プーチンとロシア人』も良書です。
 広大な国土、極寒の冬、不凍港への渇望。ビザンティン文化と、モンゴル・タタール支配の影響。ツァーリ(帝政君主)に対する無条件的服従の伝統

 佐藤優『日露外交』、下斗米伸夫『プーチンはアジアをめざす』、中野剛志『世界を戦争に導くグローバリズム』などでも歴史をご確認下さい。

 こういう時こそ、過去を勉強し、これからの在り方を考えることが大事だと思います。

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